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  • スーパーグローバル大学で送る学生生活

01. 境界なき研究

東日本大震災からの復興支援研究

東北大学

「豊かな海を、科学の力で」

宮城県の牡鹿半島の付け根、太平洋に隣する東北大学女川フィールドセンター。ここでは20年前よりアワビ類やウニ類、ナマコ類など海洋無脊椎動物の増養殖に関係する遺伝育種学的研究が行われています。2011年3月に日本を襲った東日本大震災で、研究施設も飼育していたアワビやナマコも、研究データも、何もかも流されてしまいました。それどころか街そのものが破壊され、沿岸部に会った加工場も市場も漁船もなくなってしまったのです。絶対に破壊されないと思っていた頑丈な堤防も破壊され、養殖施設も何もかもがなくなる壊滅状態となりました。これが女川町だけではなく、岩手県、宮城県、福島県を中心とした太平洋沿岸域全般にわたって起こったことです。これは人類史に残る未曽有の災害になってしまったのです。
この壊滅状態からの復興のためには、様々な研究の統合的解析による総合研究が必要でした。そこで、東北大学、東京大学大気海洋研究所、海洋研究開発機構が中核機関となって、全国の大学や研究機関から200名を超える様々な分野の海洋科学研究者が集まり、文部科学省補助金による東北マリンサイエンス拠点形成事業(海洋生態系の調査研究)(略称:TEAMS:Tohoku Ecosystem-Associated Marine Sciences)プロジェクトが立ち上がりました。
研究の目的は被災地の漁業復興ばかりではありません。国連防災世界会議の仙台宣言の中の「Build Back Better」という言葉で表されているように、海洋生態系変動機構を明らかにすることによって、海洋生態系の保全、生物の多様性を堅持しながら持続的に海洋生物生産を行っていく方向を目指しています。また、これだけの大災害は過去に世界中で起こっているのも関わらず、その状況を科学的知見として正確に調査した記録が残っていません。これからも世界のどこかで必ず起こってしまう大きな災害に対して、この研究は世界の防災・減災・復興に貢献していくものとなります。

東北大学のグローバル

東北大学はスーパーグローバル大学創成支援事業採択校として、個々の研究者の真摯な研究を積み重ね、それを学生教育に生かし、世界に貢献できる人材育成を目指しています。

01. 境界なき研究

歴史文献と天文学、
分野を越えた共同研究

京都大学

歴史文献と天文学のデータを組み合わせ、
過去の自然を再構築する

文学研究科博士前期課程2年生の早川尚志さんは、気候と環境がどのように歴史を動かしてきたか、2つのテーマを軸に研究を進めています。一つは過去の交通体制。14世紀-17世紀ごろのモンゴル帝国がどのように「シルクロード」の交通を維持したのか、当時の環境をコンテクストにし、過去の文献を調べています。モンゴル帝国解体後の人々の交流や、解体後の制度など、当時の実態はあまり分かっていないようです。
二つ目はモンゴル帝国の解体前後に起こったと考えられる環境変動の研究です。今の地勢をもとにシルクロードの道筋を調べると、いくつか環境面でつじつまの合わないところがあります。例えば、今は水もない砂漠地帯に、その頃の記録には道が通っていて商売が行われていたという証拠が残っています。早川さんが過去の文献と資料を調べた結果、当時の気候が現在とはかなり異なっていた可能性が浮かび上がってきました。このように、早川さんは過去の自然を追跡しています。
早川さんは高校生のころから過去の環境と気候だけでなく、父の影響で天文学と宇宙にも興味をもっていました。京都大学入学後、ユーラシア史を学びましたが、そこには環境や気候に関しての踏み込んだ授業はありませんでした。そんな中、天文台をもっと一般に広めたい柴田一成先生(理学研究科・教授)と知り合い、天文学を専攻していないにもかかわらず天体観測に関わるなどして親交を深めました。
柴田先生の研究室に在籍する玉澤さんと仲良くなりお互いの研究を話していると、玉澤さんから「昔の太陽活動は歴史文献で探れないのか?」と聞かれました。太陽活動は気候に間接的な影響を与えることがわかっているため、太陽の黒点やオーロライベントを探ると当時の太陽活動がわかるのではないかとふたりは考えました。早川さんは早速文献を調べ、その結果を玉澤さんに見せるために研究室へ行きましたが、玉澤さんは不在。しかし偶然いた磯部洋明先生(総合生存学館・准教授)と出会い、玉澤さんとの経緯を話し、史料調査結果を見せました。「これはいい研究になる」と磯部先生に言われたのが共同研究の始まりでした。
過去の文献に残る天文現象の記述と現在の天文学データを照らし合わせ、過去の太陽活動を明らかにする。こういった文理の垣根を超えた学際的研究は京都大学が様々な分野の専門家の距離が近い総合大学であるがゆえに生まれるものだと早川さんは語ります。

京都大学の学際性

京都大学では全く違う分野の一流研究者がひしめいて研究を進めています。自分のデータを持って行き、他分野の研究者と話すことで新たな発見をし、別の視野からの意見を聞くことで、今まで考えていなかった研究方法やツールを作れます。

01. 境界なき研究

ネコの心理学

京都大学

ネコはどこまで物理的な因果関係を
理解しているのか?を探る

2016年6月、「ネコは物理法則を理解している」との研究成果が世界各地で報じられました。この研究を主導したのが、文学研究科博士課程2年の高木佐保さん。「振ると中から音のする箱をひっくり返し、予想に反して何も落ちてこないとネコは箱を見つめ続ける」という仮説をもとに、高木さんは実験を繰り返しました。その結果、ネコはある程度物理的な因果関係を理解し、音から物の存在を推測していることが分かったといいます。
高木さんがネコの心理学の研究を始めるきっかけは小学生の頃に遡ります。「イヌは言葉を使わずにどうやって考えているのだろう?」という素朴な疑問を持っていましたが、誰に聞いても納得のいく答えは返ってこなかったそう。大学は動物から離れ臨床心理士を目指し、心理学部のある同志社大学へ進学。当時は動物の心を調べる学問があることすら知らなかったといいます。小学生の頃の疑問が再び頭をもたげてきたのは、たまたま取った藤田和生教授(京都大学文学研究科・教授)の講義がきっかけ。イヌの心理学の講義を通して、動物の心を科学的に解明する手法があることを知り、のめりこんでいきました。博士前期課程からは京都大学へ。藤田教授の研究室に所属し、本格的に動物の心理学研究を開始。偶然ネコ研究をやりたいメンバーが揃ったことや、家でもネコを飼い始めたこともあり、ネコの心理学研究がスタートしました。
ネコの心理学実験はイヌとは勝手が異なり、様々な工夫が必要、と高木さんは言います。例えば、イヌの場合は騒音を遮断した実験環境を作り、条件を整えて実験ができますが、ネコの場合は実験室へ連れてくると怖がって動かなくなってしまうこともしばしばあるそう。飼い主の家やネコカフェに出向いて実験を行うため、装置も持ち運べる大きさのものしか使えない、といった制限があります。また、ネコカフェを使う場合は交渉が必要。調査で何をするのか丁寧に説明したり、これまでの研究報告書を渡したりという地道な営業を続けていくことで、段々と協力してくれるネコカフェが増えてきたとのこと。最初はお客さんとしてカフェを訪れネコと遊ぶ体で実験していることもありましたが、信頼関係を構築していく中で、実験するうえでノイズが少ない開店前に調査をさせてくれるお店もでてきました。また、カフェを貸し切りにして実験をすることもあるそうです。
大学院に入りたての頃は、アルバイトもなるべく抑えてストイックに研究に打ち込んできた高木さん。ただ、最近の趣味は近隣のネコ島へ写真を撮りに行くこと。息抜きの趣味だったはずが、最近は徐々に研究にも影響を与え始めています。「これまで実験室で積み重ねてきた成果も生かしながら、飼いネコだけではなくネコ島のネコや野良ネコなどさまざまなフィールドで暮らしているネコの研究を進めていきたい」というのが今の目標、と高木さんは語ります。

02. 世界を「感じる」学び

米国シリコンバレー
インターンシッププログラム

会津大学

シリコンバレーの先進的なICT技術、
モノづくり精神を学ぶ

平成27年度からスーパーグローバル大学事業の一環として開始された「米国シリコンバレーインターンシッププログラム」は、モノづくりを中心とした内容です。多くの新しい技術を生み出し、ビジネスにつなげているアメリカ・シリコンバレー(SV)に赴き、SVの起業風土、先進的なICT技術、モノづくり精神などについて学びます。
平成28年度のプログラムには、9名の学生が参加しました(学部1年生1名、2年生1名、4年生3名、修士1年生3名、修士2年生1名)。国内での事前研修1週間と国外研修2週間、および学内発表会の約3週間のプログラム。この研修の大きなテーマが「SVの環境の中で実際にモノづくりをする」です。研修の中で学生たちは、現地のエンジニアや起業家に対し開発品のプレゼンを行います。
国内の事前研修では、会津大学発ベンチャー企業と連携し、会津大学内モノづくりスペース「Aizu Geek Dojo」において、モノづくりに使用する機材の使い方を修得し、開発品を試作しました。国外研修では、会津大学SV拠点である「Hacker Dojo」という施設において開発を行いました。研修中にSVの企業や大学等を訪問し、日本人創業者から起業の道のりを聞いたり、スタンフォード大学のd.schoolにおいてデザイン思考の講義を受けたりしました。これらの講義から得られたヒントをもとに、開発品のアイディアを深め、開発品に改善を加えました。開発品のプレゼンは場所を変えて3回行われ、ビジネスの視点からと技術の視点から意見をもらいました。卓越した技術と能力を持つエンジニアたちの前でプレゼンするのは非常に勇気のいることですが、この経験が学生たちに大きな成長をもたらします。
この研修を通して学生たちにとって最も活力になるのは、実際にSVで働いている人たちの中でモノづくりができる点です。SVの環境に身を置くことで、そこで働くエンジニアたちのエネルギーが学生たちのやる気を引き出し、「きっとできる」という自信を向上させます。また、英語で現地のエンジニアたちとコミュニケーションを取ったり、プレゼンをしたりすることにより、語学力にも自信がつきます。しかし実際は、語学力に加え、行動力と技術力がもっとも必要であることを学んだようです。
大学で講義や演習を受けるだけでは得られない、モノづくりの強いSpiritを得ることができます。今後も毎年10名程度の学生を研修に派遣する予定です。

会津大学のグローバル

会津大学はコンピュータ理工学専門の大学。コンピュータの技術を生かしてソフトフェアやハードウェアの様々な課題にチャレンジする学生を育成しています。会津大学ではコンピュータ関連の課外活動として、1年生から研究に触れられる「課外プロジェクト」、地域や企業のニーズに対応したテーマで活動をする「ベンチャー体験工房」、異文化理解を深める「海外留学」、および「米国シリコンバレーインターンシッププログラム」などがあります。

02. 世界を「感じる」学び

海外協定校や企業と行う
「グローバルPBL」

芝浦工業大学

世界への一歩を踏みだそう

芝浦工業大学では学内で実施してきた「Project-Based Learning = プロジェクト型学習」を学外・海外に広げ、海外協定校や企業を交えた"グローバルPBL"を積極的に実施しています。
グローバルPBLでは、海外協定校で行う派遣型、日本で海外協定校の学生と一緒に行う受け入れ型、その両方を行う双方向型がありますが、必ず海外協定校の学生と混成チームをつくってPBLを行います。グローバルPBLに参加することで、海外の学生たちと外国語でコミュニケーションをするスキルを身につけると同時に、チームを組んで同じ課題にとりくみ、解決する経験を積むことができます。生まれ育った社会や宗教の異なるチームメイトとの共同作業を通して、同じ認識を持つことや問題解決をすることの困難さ、そしてそれらを乗り越えて得られる達成感を体験できます。また、海外に拠点をもつ日系企業から与えられた課題に取り組むケースもあり、その場合はより実践的な課題解決に挑戦することになります。

たとえばシステム理工学専攻の学生はイタリアのラクイラ大学に行き、同校の学生たちと一緒に「車いす開発PBL」を実施しました。またデザイン工学部デザイン工学科では、タイのキングモンクット工科大学トンブリ校の学生たちを迎え、「新しい入浴スタイル」を提案するPBLに取り組みました。芝浦工業大学ではこのようなグローバルPBLを全17学科で年間50件以上実施しています。
世界の人々と一緒に仕事をする力、ひいては社会に貢献する力を養うグローバルPBL。芝浦工業大学はそんな新しい学びにチャレンジするあなたを待っています。

芝浦工業大学のグローバル

芝浦工業大学ではアクティブラーニングを積極的に推進しています。
教室で席につき、先生の話を聞く従来の授業が「受動的な学びかた」なのに対し、アクティブラーニングとは、「能動的な学びかた」のことで、その代表的なものがPBLです。PBLは「Project-Based Learning = プロジェクト型学習」の略です。チームを組み、自分たちで疑問や課題を設定し(ただし課題は他から与えられることもあります)、調査や実習などを通じてその課題への自分たちなりの答えを見つけ、さらに議論や発表などを通じて他の人の考えと対比させ、質問や意見を受けて自分たちの考えの正しさや説得性を確かめる、といった過程を踏むことにより、問題を発見し解決する力を自ら学びとっていく、それがPBLです。

02. 世界を「感じる」学び

Model Globalization Laboratories
(国際化を先導する「国際化モデル研究室」の活動)

京都工芸繊維大学

KIT Electronics Summer School 2016

京都工芸繊維大学では、海外研究者を招聘して行う教育活動や学生による研究成果の海外学会での発表支援など、国際化を先導する「国際化モデル研究室」を指定し、本学の教育活動の国際化を推進する取組を行っています。また、指定された研究室には、留学生が在籍する国際性豊かな教育環境の整備支援として、国費外国人留学生を誘致する取組も行っています。
髙橋和生准教授(電気電子工学系)の研究室では、平成28年7月4日~18日の期間、平成27年度に海外教員派遣制度にて派遣されたオルレアン大学(フランス)のLaifa Boufendi教授との連携により、電子回路やプログラミングをテーマとした「KIT Electronics Summer School 2016」を実施しました。オルレアン大学から3名の学生を迎え、さらに同大学から留学中の学生2名、日本人学生6名が参加。両大学の学生に対して留学の動機付けを与え、交換留学へと発展させる事を目的としたプログラムでした。

このプログラムでは、学生を取り巻くあらゆる環境に関連する課題に対し、本学およびオルレアン大学の学生による混成チームが電子工学とプログラミングを駆使して挑戦しました。混成チームとすることにより、教員からの指示がなくとも自然と学生同士が英語を含む多言語でコミュニケーションをとり、協力して装置の作製を行うプログラムとなりました。
参加学生は5つのチームに分かれ、Arduino(ワンボードマイコン)を用いてシステムを構築し、「何かを作り出す」課題に取り組みました。Arduinoの操作の基本(電子回路の設計とプログラミング開発)を学び、キャンパス内や京都市内において、学生自身が社会、生活、自然等の環境における課題を見い出し、その課題を解決するためのシステムをArduinoを使って実現。それぞれのチームが、議論や試行錯誤、京都市内の探索を経て作製したのは、毎朝の準備が楽しくなる目覚まし時計や学内探索ゲーム、日仏英翻訳機など、多様な発想から生まれた装置でした。言語や文化の違いを生かしたユニークなアイディアが活用された提案となりました。

プログラム5日目には、学外の方も聴講可能としたプラズマに関する初学者向け講座「プラズマ・カフェ」を開催。"The Plasma"をテーマにBoufendi教授が講演し、プラズマの特性およびその利用方法として、集積回路の生産のみならず、あらゆる表面の処理に用いられ、医療や農業の分野にまで導入されようとしているプラズマテクノロジーの紹介が行われました。

02. 世界を「感じる」学び

海外で長期間の研究が可能。
医学部医学科の自由選択学習

東京医科歯科大学

医療人キャリアの礎となる海外への研究留学

東京医科歯科大学では、学士課程から研究を行えるようカリキュラムを充実させており、中でも特徴的なプログラムとして、医学部医学科の自由選択学習(プロジェクトセメスター)があります。
プロジェクトセメスターは、主な講義や試験、基礎実習を終えた4年次に設定されている5ヶ月のコースで、この期間中には通常の講義はなく、研究に専念することができるようになっています。興味を持った分野について集中的に学ぶことにより、科学的視点を有する医師としての基盤を養成します。東京医科歯科大学の講座、附属研究所、国内の学外研究機関だけではなく海外において履修することもでき、学生は希望の研究室を選択して、そこで一つのテーマを追究し続けます。全学生の研究成果は、報告会の場においてポスター展示やプレゼンテーションが行われ、お互いに共有することになります。
ここで海外の研究室を希望する学生には、インペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)、オーストラリア国立大学、ネバダ大学(米国)、チュラロンコーン大学/マヒドン大学(タイ)、ソウル大学、チリ大学、ガーナ大学野口記念医学研究所など、東京医科歯科大学と国際交流協定を結んでいる大学や研究所への研究留学の機会があります。海外派遣学生には、少人数・双方向の実践的な講義形式で、他国の医療専門職教育機関の上級学年生に匹敵するアカデミックスキルの修得を支援する留学前準備教育も用意されていますので、海外派遣直後から実りある研究留学が可能です。
大学在学中に海外に半年も滞在できるというのは本当に貴重な機会で、一流の研究者の指導を受け、さらに世界中から集まって来ている研究室メンバーへのプレゼンテーションやディスカッションを行いながら、研究プロジェクトを進めるという経験は、将来の医療人としてのキャリアにとても有益です。海外のトップクラスの研究者の研究の仕方、研究に対する考え方やスタンス、ワークライフバランスなど、日本ではなかなか経験できないような新鮮なことをたくさん目の当たりにすることができます。プロジェクトセメスターにおける海外留学では、学びや研究だけではなく他国の学生との活発な交流も行われますので、学生は充実した毎日を過ごしています。彼らはさまざまな側面で大きく成長して帰国し、その研究成果や経験が後輩へと引き継がれています。

02. 世界を「感じる」学び

異文化体験だけで終わらない、
価値観を拓く留学

国際基督教大学

スーパーグローバル大学として、ICUの留学プログラムは進化を続けています。すでにおよそ学生4人に1人の交換留学の枠を設けていますが、分野に特化した留学もできました。
その一つが2015年度から始まった理系に特化したプログラムです。アメリカのリベラルアーツ大学(The College of Wooster)で、最先端の研究に触れながら卒業論文に必要な研究計画を作り、現地の研究室で卒業研究に取り組むことができます。さらに、言語教育、通訳・翻訳、国際関係といった分野では、アメリカのミドルベリー国際大学院モントレー校の修士号と、ICUの学士号を、通常より1年早く約5年で取得するプログラムも始まりました。
ICUでの留学は、単に異文化体験では終わらないはずです。留学がきっかけとなって、自分の価値観が拓け、海外の大学院や国際的なキャリアなど、将来の道を得る学生が多数います。沢山の可能性を秘めたICUの留学プログラムを体験する学生は、卒業までに半数以上(62.1%:2015年度卒業生に占める留学経験者の割合)にのぼります。留学にあたっては、担当オフィスや教員による手厚いサポートもありますので、安心して海外に挑戦することのできる環境が整っています。
その他にも1年生、2年生を対象とした、異文化に触れ、語学力を向上することを目的とした夏休みの6週間を利用した海外英語研修プログラムや、3年生以上を対象とした留学先の現地学生とともに専門分野を学ぶ1年間の交換留学など、2017年3月現在、42カ国、90大学、58プログラムを提供しています。また、アジアのパートナー大学・機関のプログラムに参加し、現地のNGOや公的機関で奉仕/ボランティア活動を行う国際サービス・ラーニングや、海外フランス語研修といったプログラムもあります。

国際基督教大学のグローバル

ICUの学びは、一つの観点からだけでは解決できない現代の諸問題を、世界の人々との対話を通じて異なる価値観を受入れ、多様な知識を統合して解決していく能力を育てることを目指しています。ICUの留学は、こうした力を更に育てるとともに、世界を見る広い視野を養うことができます。特徴は、一人ひとりの学びの計画に応じて選べる多くの選択肢があることで、入学から卒業までの間に、複数の留学に参加することも可能です。入学当初は、交換留学への参加に不安がある学生も、海外英語研修プログラムやその他のプログラムに参加するなどして、自信をつけてから交換留学に参加できる仕組みを整えています。

03. 日常をグローバルで彩る課外活動

Honors Program for Global Citizenship
(オナーズプログラム)

立命館アジア太平洋大学

世界で活躍するリーダー学生を輩出する

立命館アジア太平洋大学では、2016年から「Honors Program for Global Citizenship(オナーズプログラム)」をスタートしました。オナーズプログラム生は選考を経て、2年程度APハウス(学生寮)内の同一フロアに居住し、寮内外で様々なプログラムを経験します。異文化交流や海外研修プログラム、リーダートレーニングに関連する科目を学ぶとともに、オナーズプログラム生向けの就職・進学企画や学内貢献・地域貢献を目的とした企画で大学講義以外の学習機会があります。また企画の一つとして、APU学長とオナーズプログラム生の食事会も開催され、プログラム生と学長が懇談する機会も設定されました。さらに、一人ひとりのプログラム生は、プログラム指導教員やアドバイザーとなる教職員と定期的に面談を行い、大学での学習や生活上での相談を受けることもできます。
プログラムは入学後から卒業までの4年間で行われます。学生寮を離れて、市街地に居住してからもプログラムは継続されます。プログラム学生でいながら、海外協定校への交換留学を希望することも可能です。現在33名のプログラム生は将来100名前後となり、オナーズプログラムの先輩後輩のつながりも大きくなります。すでに、日本、インドネシア、マレーシア、インド、ベトナム、中国、オーストラリア、スリランカ、ニュージーランド、オーストリア、ネパール、アメリカ、パキスタン、フィンランド、フランス、バングラデシュ、ブルガリア出身学生がプログラム生として活躍しています。
プログラムを継続するための成績や単位修得数に基準が設けられています。これはAPUが、大学での学業を第一に取り組み、優秀な学業成果を修めながら、正課外の活動や海外を含めたキャンパス外活動を積極的に行える学生をプログラム生として期待しているからです。将来は海外で活躍したい、国内外の大学院に進学したい、海外の友人をたくさん作りたい、リーダーになれるような能力を身につけたいという希望をもつ高校生の皆さんの、入学とオナーズプログラムへの挑戦を待っています。

立命館アジア太平洋大学の
グローバル

立命館アジア太平洋大学(APU)は海外からの留学生(国際学生)50%、日本人学生(国内学生)50%で構成される大学です。キャンパス内には、国際学生と国内学生が居住する学生寮(APハウス)があります。国際学生と国内学生が共同生活をおくることで日常的な交流が促進される環境が整備されています。

03. 日常をグローバルで彩る課外活動

新学生留学生宿舎「北溟」オープン!

金沢大学

日本人学生と多彩な国籍の外国人留学生たちが
ともに生活

2017年4月、金沢大学に新しい学生留学生宿舎がオープンします。4棟200名収容の新学生留学生宿舎「北溟(ほくめい)」。2012年10月にオープンした学生留学生宿舎「先魁(さきがけ)」の隣に完成し、2017年4月から学生の入居を開始します。
「北溟」は3階建ての2棟、2階建ての2棟の計4棟からなり、共同生活するユニットが40あります。各ユニットでは、日本人学生と外国人留学生の計5名が、それぞれの個室は持ちながら、キッチン、洗面、トイレ、シャワールームなどを共有するシェアハウススタイルで生活します。専用の個室には机、本棚、クローゼット、ベッドが備え付けられています。
先行して整備された「先魁」では、多くのユニットで、ユニット内の公用語を英語としており、キャンパス内にいながら、海外に留学しているような生活が体験できます。入居している日本人学生は、レジデントアドバイザー(RA)という役割を担い、留学生に対する生活上でのアドバイスのほか、金沢大学での留学生活を楽しく過ごしてもらえるよう、ハロウィンやクリスマスなどのイベントに合わせてパーティーも企画・開催します。RAについては、日本人学生からは、「留学生へのサポートを通して、コミュニケーションを自分から積極的に取りにいく姿勢が身につく」といった感想が、留学生からは「日常生活のサポートだけではなく、日本語のスピーチ練習の相手にもなってもらうなど、一番身近な日本語の先生であり、頼れる存在です」といった感想が聞かれるなど、大変好評な制度です。
住居棟に隣接した交流ホールには机、椅子、ホワイトボードなどがあり、ハウスミーティングや座談会などの様々な交流イベントが開かれています。また4月や9月の入居・退去者の多い時期やハロウィン、クリスマスなどの際には、パーティーが開かれ、入居者の数多くが参加し、それぞれの出身国の料理を振る舞い合うなど、互いの文化に触れ合う機会も数多く設けられています。

金沢大学のグローバル

「北溟」の完成によりキャンパスのさらなるグローバル化が進展する金沢大学。留学生の収容人数がこれまでの104名から304名と約3倍となり、これまで以上に日本人学生と多彩な国籍の外国人留学生たちがともに生活することになります。これによりグローバルな生活環境が広がることが予想され、まるでキャンパス内に新しい町ができたような変化が生まれます。

03. 日常をグローバルで彩る課外活動

外国語コミュニケーション空間
「Gラウンジ」

法政大学

さまざまな情報が
集まる外国語コミュニケーション空間

外国語コミュニケーション空間として「Gラウンジ(Global Lounge)」を市ヶ谷、多摩、小金井の3つのキャンパスで展開しています。キャンパス内にいながらにして、ネイティブスピーカーとの日常的なコミュニケーションの機会を持つことができ、より実践的な語学力を身に付けることができます。英語ネイティブスピーカーである「英語学習アドバイザー」が、正課授業実施日(月~金)にGラウンジで学生のみなさんの来室を待っています。英語で話してみたい、英語の上達方法を教わりたい、海外の文化を知りたい、など学生の様々な希望に対応しています。
またGラウンジでは、学生が企画する外国人留学生との交流イベントや異文化理解や語学学習をテーマとした催しが随時開催されています。それらのイベントには、毎回外国人留学生を含む多くの学生が参加しています。さらに、Gラウンジは英語力の総合的な底上げを目的とした「ERP(英語強化プログラム)」や海外でのさまざまな体験を通して世界を違う視点から捉えることができる「国際ボランティアプログラム」、海外での就労体験により、外国企業や機関での働き方を学び、コミュニケーション能力を向上させることができる「国際インターンシッププログラム」の受付窓口にもなっています。法政大学が提供する豊富なグローバル教育プログラムの情報をGラウンジで集めることが可能です。ぜひ各キャンパスのGラウンジへ足を運んで、積極的に利用いただければと思います。