京都大学ジャパンゲートウェイ構想

構想の概要

本学が十分な国際競争力を持つ分野を擁する大学院に、各分野の世界トップレベル大学と連携して実施する国際共同教育プログラム「スーパーグローバルコース」を設置します。各分野のスーパーグローバルコースにおいては、パートナー大学との共同科目の開設、博士論文の共同指導・査読等の取組を行うとともに、国際共同学位プログラム「ジョイント/ダブルディグリープログラム」の開発を進めます。これによる大学院教育の国際化と、入試改革、外国人教員の雇用促進、留学生の受入れおよび学生の海外派遣の増加、英語による授業の増加等、大学教育の様々な側面の国際化との相乗効果により、本学の研究・教育力の更なる強化を図り、世界で活躍する次世代のトップレベル研究者を輩出します。

人文社会科学分野

人文社会科学分野では、“ 持続可能性” と“ 跨境性” をキーワードに経済学・文学・農学の3 研究科が協力し国際共同教育・学位プログラムを実施しています。広範領域を網羅していることに加え世界各地域の大学と連携を持つ強みを活かし、これまでに文学研究科でハイデルベルク大学とのジョイントディグリープログラム(修士課程・国際連携文化越境専攻)を、また経済学研究科ではグラスゴー大学とのダブルディグリープログラム(博士後期課程)を開始しました。研究交流ハブ拠点となることを目指し、ワーヘニンゲン大学、ストラスブール大学、ゲッティンゲン大学、チュラロンコーン大学等、欧州・アジアの主要大学との研究交流、第一線の研究者による直接指導を通じ、国際的競争力のある学生育成を推進しています。

人文社会科学分野

医学生命分野

医学生命分野では、ノーベル医学生理学賞、ロベルト・コッホ賞、アルバート・ラスカー賞などの世界的に著名な賞の受賞者を数多く輩出してきました。その世界第一線級の研究力、プレゼンスをより一層強化するため、ゲノム医学領域を中心に、マギル大学、ボルドー大学、パスツール研究所といった欧米トップクラスの海外パートナー校とのさらなる連携体制の構築に取り組んできました。さらに、平成30 年4 月より、国際共同教育プログラムの発展形として、マギル大学との国際共同学位プログラム「京都大学・マギル大学ゲノム医学国際連携専攻(博士課程)」を開設し、大学院教育の徹底した国際化を断行し、国際競争力のある人材を育成するとともに、京都大学の世界的評価を高めることを目指します。

医学生命分野

化学分野

化学分野を構成する工学研究科化学系6 専攻は分子レベルの理論的解析から地球規模の環境、エネルギー問題の対応までを含む、非常に幅広い教育・研究を実施する世界的に見ても最大規模の化学系大学院組織であり、ノーベル化学賞、フンボルト賞をはじめとする世界的な賞を数多く受賞しています。また化学工学分野ではQS ランキングの世界5位となっています。本分野では当化学分野の持つ特徴を最大限に生かし、マサチューセッツ工科大学等の海外連携大学教員による集中講義形式の科目を含め、講義の多く(博士後期課程においてはすべて)を英語で開講する教育プログラムを設置して国際水準の教育を確立し、大学院生の俯瞰力の強化と国際化を図るとともに、質の良い留学生数の増加も目指しています。

化学分野

数学分野

数学分野は、フィールズ賞をはじめとする世界的に著名な賞を数多く受賞し数理科学の広範な分野をカバーする世界最高水準の研究者集団を擁し、時代を先導する研究を数多く行ってきました。大学院生は、主指導教員であるこれらの本学教員に加えて、第一線の外国人研究者を副指導教員とした共同研究指導を受けることにより、数学の高い研究能力と十分な語学力を備えて、国際的な環境の中で博士論文の研究を行うことができます。平成27 年度には3 名、平成28 年度には7名、平成29 年度には5 名の大学院生が海外の研究者を副指導教員として博士の学位を取得しました。また国際的な研究ネットワークを構築し、学位論文の成果が国際的に周知されることで、国際的な活躍の場が広がります。

数学分野

環境学分野

地球環境学堂/ 学舎・農学研究科からなる環境学分野は、自然科学、社会科学、人文科学など多分野から構成され、環境問題に資する学際的・実践的な教育・研究を行っています。教育においては、Rattan Lal 氏(The Ohio State University)、Denis Petitprez 氏(LilleUniversity)など著名な研究者を招へいし、環境学分野における先端事例を提供するとともに、マヒドン大学、ボゴール農業大学などと新たなダブルディグリープログラムを実施しています。加えて、提携大学における国際インターン研修の実施など、教育プログラムの国際化を推進しています。研究においても、日本学術振興会賞(勝見武)、日経地球環境技術賞・優秀賞(真常仁志ら)、日本農学賞(近藤直)を受賞するなど、新たな環境技術が評価されています。

環境学分野

社会健康医学分野

社会健康医学分野は、21 世紀のグローバルヘルスを先導するワールドプレミアム公衆衛生大学院の創成を目標として、専攻内に国際化推進室を設置し、チュラロンコン大学、マラヤ大学、マヒドン大学、国立台湾大学等のASEAN、東アジア、欧米の主要大学と連携しつつ、教育プログラムの学際化・国際化、学位プログラムの国際化を強力に推進すると共に、若手研究者に焦点化した国際交流を推進しています。これまでに、必修科目、一部選択科目、及びHP を英語化し、英語による教育・広報体制を前進させると共に、台湾、ASEAN、英国の主要公衆衛生系大学院から若手研究者を招聘して国際会議を開催し、併せて、国際共同研究の推進を図るため、連携海外大学との間で、活発な学生、教員の交流(派遣・招聘)を行いました。

社会健康医学分野

2023年までの目標

OBJECTIVE1

世界トップレベル外国人教員

世界トップレベル外国人教員による
学生への教育・研究指導を実施

OBJECTIVE2

留学

外国人留学生数
及び日本人留学経験者数の増加

OBJECTIVE3

国際共同教育・学位プログラム

国際共同教育・
学位プログラムの開設

OBJECTIVE4

海外トップレベル大学

海外トップレベル大学との
連携拡大

OBJECTIVE5

MOOCs

MOOCs(オープンオンライン講義)の
配信により、講義を積極的に学外、
海外の大学生・高校生へ公開

OBJECTIVE6

外国語による授業

外国語による
授業科目の割合の増加

OBJECTIVE7

国際共著論文

学生の
国際共著論文数の増加

OBJECTIVE8

国際教育アドミニストレーター

国際教育アドミニストレーター(IEA)の
配置による留学支援の充実

  • 大学公式サイト
  • スーパーグローバル大学特設サイト
  • 構想調書ダウンロード(PDF)